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◇こだわりのショップをセレクト!◇

katakana 代表 河野純一さん





 お店を訪れた人が、自分のライフスタイルを見つけられる
 …そんなお店を訪ね、お店作り・売り場作りについて伺った。


 雑貨の街、東京・自由が丘で人気を集める「katakana」。お店のコンセプトは“日本のカッコイイを集めたお土産屋さん”だ。長らくアパレル業界で活躍してきた河野純一さんが2010年10月にオープンさせ、“今の日本を軽やかに伝えられるお店にしたい”という思いを生かしている。「お土産を買う気分で立ち寄ってほしい」という河野さんの言葉通り、気軽に足を止めて楽しく贈り物を選べるような雰囲気に溢れている。お客様は地元の方が6割、自由が丘を観光される層が4割。外国人の来店も多いそうだ。
 売り場のレイアウトは、什器(島)ごとにテーマを決め、並べ方に工夫を凝らしている。今の季節は、春に需要の多い「礼状・お手紙」のコーナー、最近大人にも人気の「ぬり絵」関連のコーナー、まげわっぱや茶碗・お椀・お箸などの「食」周辺のコーナーなど、さまざまな分野にわたって多彩なアイテムを並べている。でも、それらは雑多な印象にならず、今の日本の暮らしに合ったカタチとして提案されている。また表の通りからも見えやすい場所に「イベント・スペース」を設け、1つのテーマのもとに品揃えと飾り付けを行っており、5月半ばまでは梅雨の季節に向けて「傘」関連のアイテムが特集された。
 「まず自分で使って、使いやすいものを売り場でお薦めしています」という河野店長。「品揃えの基準はやはり、好きか嫌いかが大事です。自分たちが好きな物は、より深く知りたくなって、売り場も充実していきます。また私もスタッフも、“katakanaのお店に合うものを”という視点で選んでいます」という。
 お店のコンセプトである“日本のカッコイイ”とは、「ただ商品の事を指すだけでなく、それを作っている職人さんがカッコイイ、あるいは“Cool Japan”である、などいろんな意味の取り方がありますね。それらを売り場で品よく、きれいにお伝えしたい」という。商品の並べ方にもこだわり、あまり詰め込みすぎずに、“間”を大切にしている。「並べ方がいつでも変わらない売場はダメです。品物が売れ、売場に空いたスペースに何を置くか、そしてその隣に置くものは…など、ストーリーを持たせて売場に“文脈”を作る。それがkatakanaらしさだと思います」と語る。毎日、その日の売上げの個数を調べ、動きの良い商品は拡大し、悪ければ他のものと入れ替える。しかしあまり頻繁に変えすぎず、3日間は同じ品揃えで動きを見て、数字と併せて“流れを読む”という。
 いつも“ふだん通り”に商品を提供していきたいという河野店長。そんな彼の人柄を反映してか、お店に立ち寄られるお客様からは「いつでもここに来るとホッとする」と言われる事が多いそうだ。


▲“日本のカッコイイ”を集めたお土産屋さん「katakana」


▲商品の並べ方で“文脈”“ストーリー”をつくり出す


▲同店でいま人気の高い商品「プレイ・タイマー」(オイル時計)


▲茶碗・お椀、お箸、まげわっぱなどの「食」関連のコーナー

katakana

〒158-0083 東京都世田谷区奥沢5-20-21 第一ワチビル1F
tel. 03-5731-0919
http://katakana-net.com