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◇こだわりのショップをセレクト!◇
“たのしく、書く人”のための店。ネットではできない体験を提供

カキモリ 店主 広瀬琢磨さん





お店を訪れた人が、自分のライフスタイルを見つけられる
…そんなお店を訪ね、お店作り・売り場作りについて伺った。


手仕事に携わる職人が活躍し、近頃では新しいクリエイターやお店が増えている街、東京・蔵前。ここにある「カキモリ」は、“たのしく、書く人”のための文房具の店だ。
店長の広瀬琢磨さんは祖父が文具店を創業し、幼い頃から文房具に親しんで育ったという。2006年に家業を継ぎ、2010年に蔵前に「カキモリ」をオープンさせた。「お店に専門性を持たせて、それを磨いていきたい」と考えた広瀬店長は、文具店に生まれ育った自らの経験をふまえて、「書くこと」に的を絞った品揃えを心がけた。「ものを伝える手段が ITに代えられがちな今こそ、書くたのしさをお伝えし、“書きたい”と思ってもらえる文房具を提案したいと思いました」という。当初は紙製品中心の品揃えからスタートした。
現在、お店で扱う商品はカキモリの「オーダーノート」、カラフルなデザインと豊富な種類の万年筆、こだわりのセレクト文具と雑貨、多彩な紙製品など幅広い。売上げの半分以上はオリジナル商品で、その中でもオーダーノートが主力となっている。

◆書く楽しさを体験できる、雰囲気のある売り場を


人気のオーダーノートでは、お客様が数十種類にわたる表紙・中紙、リング、留め金の中から自分で選んで、店内の工房で製本し、オリジナル商品が作れる。商品の部材はカキモリの地元・蔵前で調達され、その加工も地域の職人が行っている。そうしたつながりが、独自性と個性のある製品へとつながっているようだ。
「モノづくりのたのしさに触れられるためか、お客様はリピーターの方が多いですね。蔵前という地域自体にも興味を持って頂けるようです」と広瀬店長はいう。「書く」ことで書き手と読み手がつながり、商品の背景を通じて、モノの作り手ともつなれがる…カキモリはそうした場でもある。
ノートに加え、万年筆の種類も豊富。5,000円以下など手頃な価格帯のものも多く揃えており、好評を得ている。万年筆のオリジナルのインクも人気商品で、現在、お客様が自分の好きな色のインクをその場で調合できる工房づくりも進めている。
「お店にいらした方が“たまには手書きで書いてみよう”と思って頂けるキッカケづくりをしたいですね。たのしく書くことを通じて、ネットではできない実際の体験ができる、居心地の良いお店の雰囲気をつくりたい」と語ってくれた。


▲「書く」ことに的を絞ったアイテムを多彩に展開している


▲表紙、中紙、リングや留め金を選んでオリジナルのノートが作れる


▲カラフルなデザイン、豊富な種類の万年筆が壁に並ぶ


▲“たまには手書きで書いてみよう”と思ってもらえるキッカケづくりを目指す

カキモリ

〒111-0051 東京都台東区蔵前 4-20-12
tel. 03-3864-3898
http://www.kakimori.com