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◇こだわりのShopをセレクト!◇
モノを通してコミュニケーションが広がる店
マルクス  オーナー 久保田 直さん


 

お店を訪れた人が、自分のライフスタイルを見つけられる
…そんなお店を訪ね、お店作り・売り場作りについて伺った。

 
 
日本各地の“いいもの”を選んで提案…。東京・吉祥寺の「マルクス」は “ちょっといい暮らし”“理想の暮らし”を実現するための、きっかけやヒントを与えてくれる店だ。売り場で扱う品は主に、全国のつくり手によりひとつひとつ丁寧に生み出されたモノ。つくり手自身が「生活のシーン」をしっかり考えてつくり出した製品は、大量生産品にはない魅力と背景(ストーリー)を伝えてくれる。

◆使うシーンが想像できる売り場づくり

店主(オーナー)の久保田直さんは2013年5月にこの「マルクス」をオープンし、モノや店を通して会話やコミュニケーションが発生する場を目指している。「モノのかたちやデザインの中に、その用途が見えるような製品を選んでいます」という久保田さん。売り場でも、買われた方が家で使ったり収納したりするシーンを想像できるような見せ方を心がけている。陶器、漆器、ガラス器など製品をメインに扱い、売上げの四割はそうした食まわりのアイテムとなっている。加えて布製品・木製品等の生活雑貨や食品も揃えており、用途の目的ごとに分けて木製什器やスチールのシェルフ、そして趣のある箪笥などに陳列。店内はすっきりと清潔ながら、温かく親しみのある雰囲気を醸し出している。十五坪の店の中には導線がゆったりと取られ、ふらりと立ち寄る人も多い。訪れた人がずっと使ってみたくなるような、永くつきあえる製品に出会える、そんな“ワクワク感”に満ちている。

◆自分が納得した製品だけを扱う

来店されるのは7~8割が女性だが、平日に立ち寄り休日に夫婦やカップルで再び来店されるケースや、お店の熱心な男性のファンの方などもおり、幅広い層に親しまれている。久保田さんはこの店を始める以前は長年、大手の雑貨チェーンでの仕入れ担当、書籍と雑貨の複合業態の仕入れやMDなどに携わっていた。独立して始めた現在のお店の品揃えでは自分というフィルターを通し、必ず自分が納得した上で全国各地の“いいもの”を選んでいるという。様々な業種の雑貨店が数多くある吉祥寺の街で、ていねいにつくられたモノと出会えて、会話がはずむお店「マルクス」。独自の存在感を生み出し、いまファンを着実に増やしている。


▲日本各地の“いいもの”を選んで提案している店「マルクス」


▲オーナーの視点で全国から選んだ器が多彩に揃う


▲古い家具を用いた提案は、使うシーンをイメージさせる


▲陽光に映えて豊かな表情を見せるガラス製品


▲艶やかで深みのある色が魅力の作家ものの器


▲素材の良さにこだわった食品も扱っている

マルクス」のある街「吉祥寺」とは?

 
つねに“住みたい街”の上位に選ばれるのが、東京・武蔵野市の吉祥寺。雑貨好きな人達が集う街として人気があり、雑貨店の数も多数。和の伝統にこだわる店、ポップな雰囲気の店、ヨーロッパ雑貨の店などその種類も多彩だが、周囲は落ち着いた雰囲気の閑静な住宅街が広がる。散策がてら店を訪れ、“暮らしのひと工夫”を探す人も多い。

  • マルクス

〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町 2-18-15
武蔵野カントリーハイツ112号
TEL. 0422-27-2804
http://marku-s.net