HOME > 2016年3月号 こだわりのショップをセレクト

北欧のものづくりの魅力を、現代の視点で伝えるショップ
t-b-d 店長 戎愛子さん


 

お店を訪れた人が、自分のライフスタイルを見つけられる
…そんなお店を訪ね、お店作り・売り場作りについて伺った。



北欧のアートセラミックや工藝品、クラフト感の残るプロダクト、アーティスト作品等をメインに取り扱うショップ「t-b-d」。2015年10月に東京の南青山にオープンし、北欧のアイテムを現代の視点からインテリアとして楽しむための提案を行っている。
ショップを運営する(株)ビオトープは、これまで様々なプロジェクトを通じて、北欧のものづくりの背景やライフスタイルを、新たな視点で提案してきた。このショップ名の「t-b-d」は “to be determined= 後日決定”の意味。同社の代表でバイヤーの築地雅人さんが、心の琴線に触れたものを探しながら、テーマを絞り込まずに一期一会の出会いの中でセレクトしていることに由来している。

◆ものづくりの風土や民族性、歴史までをお伝えする

売り場に足を踏み入れると、北欧の空気がそのまま伝わるようなアイテムが並ぶ。スウェーデン、フィンランドなどの風土や民族性が実感でき、ものの背景や歴史までが感じられるようだ。
面白いのは、それらが北欧だからこそ生まれた製品でありつつ、日頃、お箸を使う私たち日本の食生活や暮らしの空間にとてもすんなりと馴染む印象を受けることだ。
売り場には「ヴィンテージもの」と併せて、現代の作家による製品も揃えている。また日本のクラフトや、クラフト感の残る製品のコーナーも備えており、今後は、北欧と日本のテイストを現代の私たちの暮らしに合うようにコーディネートして提案していく予定。定期的に、テーマを持たせたイベントも行い、作家やブランド、ものづくりの背景を紹介している。

◆北欧の“暮らしの豊かさ”を、日本のライフスタイルに取り入れてほしい

「商品を通じて、北欧の“1950-70年代のものづくりや生活スタイルの豊かさ”をお伝えし、私たちだから見せられるような、“今の”生活にあうようなスタイルを売り場で編集していきたいですね」と、店長の戎(えびす)愛子さんはいう。「来店されたお客様にアイテムの魅力をお話ししながら、それをいまの暮らしに取り入れることで気分が“上がる”ようなご提案ができればいいと思っています」と語る。
心に響く美しい北欧のアイテムに加え、今後はそれらと調和の取れる日本の作家の作品なども売り場で充実させていきたいそうだ。


▲売り場に足を踏み入れると、北欧の空気がそのまま感じられるよう


▲日本でも人気の高い「リサ・ラーソン」の、ヴィンテージものの製品


▲「グンナー・ニールンド」等の著名な作家のヴィンテージ製品のコーナー。つくり手の個性が光る逸品がならぶ


▲「アラビア」「ホガナス」をはじめ、フィンランド、スウェーデン等のアートセラミックやテーブルウェアも多彩に揃えている。どれも現代の視点で楽しめるアイテムだ


▲現代のデザイン界で活躍するデザイナーによる製品も扱っている


▲鹿児島睦さんによるファブリック製品、陶器などのコーナー。今後は、北欧の陶芸や家具と馴染む日本のクラフトやプロダクトも充実させる予定

『t-b-d』 のある街「南青山」とは?

 
おしゃれに敏感な人に人気の街として知られる東京の南青山・表参道界隈。表参道交差点を中心にファッションビルやブランドのブティック、フローリストなどが揃う。
そうした中で海外から輸入した雑貨やアンティーク、世界の工芸や民藝的なクラフトなどを扱うこだわりの雑貨店も多い。扱われる品々のテイストも店によってさまざまで、“今の”東京のライフスタイルが、売り場で提案されている。
路面店ではない、一見わかりにくい場所にあるお店の情報も口コミで伝わり、「宝探し」の感覚で訪れる人もいる。またアジアからの訪日観光客にも人気のエリアとなっている。

t-b-d

〒107-0062 東京都港区南青山 5-3-8 パレスミユキ301
TEL. 03-6712-5492
http://www.t-b-d.net