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◇こだわりのショップをセレクト!◇
作り手の“手の跡が残る”製品を取り扱う
doinel / 株式会社ビオトープ オーナー 築地雅人さん






お店を訪れた人が、自分のライフスタイルを見つけられる
…そんなお店を訪ね、お店作り・売り場作りについて伺った。


生活雑貨や服飾雑貨、自然派ワインや食料品、さまざまな暮らしのアイテムなど、ヨーロッパからの輸入品を中心に扱う東京・外苑前のお店「doinel(ドワネル)」。品揃えのコンセプトは「最少単位のプロダクト」。生産者と使う人の距離感や、作り手の思いが感じられるような、プロダクトとして成り立つ最少単位で作られているアイテムを取り揃えている。「小さな単位で作るものは安価ではできないし、また必要以上には作られません。でも大量生産の製品にはない、そうした“手の跡が残るような製品”に絞って選んでいます」と、オーナーである(株)ビオトープ 代表の築地雅人さんはいう。
「doinel」を運営するビオトープ は、衣食住、空間・時間にわたり、私たちの暮らしを豊かにしてくれる様な「背景をしっかり持ったアイテム」を扱う会社だ。築地さんは自らの足で、北欧やドイツ、イギリスなどの良質でシンプルな生活雑貨や食器、そしてフランス産の自然派ワインなど、作り手の想いや意思が感じられ、共感できるモノを探し求めている。売り場では、在庫を多くは置かずに多種類のアイテムをゆとりを持って並べ、製品の“素材の良さ”が伝わるような陳列を心がけるという。白を基調とした温かく落ち着いた内装で、その心地良さのためかお客様の滞留時間は長めで、初来店の方や常連さんなど、30分以上の方も多いそうだ。
築地さんは、11年前にフリーのバイヤーとして個人オーナーの方々を対象に、古い家具や絵本など、ビンテージを中心とした卸の仕事を始め、2004年に東京・世田谷に「ビオトープ」の店舗をオープンした。北欧の1950~60年代のライフスタイルを、現代の住空間に取り入れる提案をしたいわば“先駆け”の一人といえる。現在では北欧雑貨は世の中で幅広いポピュラリティーを得ており、より広い層を対象としたマーケティングが必要となってきた。そこで「ビオトープ」とは別に、オーナー自身の想いを発信できる拠点として2010年に「doinel」を外苑前にオープンした。
「ビオトープ」と「doinel」では、それぞれ卸業務や国内外の作家・デザイナー・メーカーと共同での商品開発も行っており、「doinel」店内ではモノの紹介だけではなくギャラリースペースとして、プロダクトの作家やメーカーの仕事を紹介する展示会や共同イベントなどを定期的に行っている。
「生活雑貨もワインや食材も、どれもモノの背景や歴史、モノづくりのストーリーを追い求めるという視点で選んで提案しています。お店にいらした方には、気に入った色や形の製品を手に取ってもらう事に加えて、“どうしてこれが好きなんだろう”“なぜ面白いのかな”という好奇心を持って頂けると嬉しいですね。店舗のスタッフが、製品にまつわるストーリーをお伝えしながら、ご対応させて頂きます」と築地さんはいう。
自分らしい暮らし方や、自分の価値観を大切にする方たちに支持されるお店を今後も目指していきたい、と語ってくれた。


▲雑貨からワインまで、“作り手の想いが感じられる”製品がジャンルを越えて並べられている


▲ドイツのデザイナーによる、自らの工房で作られる帽子


▲オリジナルのテーブルクロスはフィンランドのファブリックを用いて日本で仕立てている


▲スウェーデンのシンプルで美しいキッチン製品

doinel(ドワネル)

〒107-0061 東京都港区北青山 3-2-9
tel. 03-3470-5007
http://www.doinel.net