HOME > 2015年5月号 こだわりのショップをセレクト

「メイド・イン・トーキョー」の文具を中心に集めたセレクトショップ
GOAT /ゴート



お店を訪れた人が、自分のライフスタイルを見つけられる
…そんなお店を訪ね、お店作り・売り場作りについて伺った。



“ものづくりの街”として最近注目を集めることの多い東京のイーストエリア。生活雑貨、ファッション雑貨などの産地であるという他に、東京には「文具の生産地」という一面がある。とくに東東京は数々の老舗の文具メーカーが、永年にわたって個性的で魅力的な商品を作り出している地でもある。
「GOAT(ゴート)」はそうした「メイド・イン・トーキョー」の文具を中心に集めたセレクトショップ。ノート、筆記具、ファイル、文具雑貨など、文具好きの人なら思わず手にとりたくなるアイテムを揃えているお店だ。
オーナーの串田美恵子さんはアートディレクター・デザイナーとして『SALCO DESIGN』の屋号で、グラフィックやプロダクトのデザインを行っている。デザイン事務所、ステーショナリーメーカー企画室の勤務の後に2004年にSALCOを結成し、「bonboog」などのユニークな製品を生み出してきた。台東区の創業支援施設「台東デザイナーズビレッジ」入居中の2006年より、東京・千代田区の老舗文具メーカー、LIFE(ライフ)製のノートのデザインを手がけ、文具の持つ魅力をより深く知るようになったという。


◆日本製、東京製の文具の良さを伝えたい


2012年に現在の台東区東上野に事務所を移転した時に、この「GOAT」を併設してオープンさせた。売り場に並べられた、つくり手のこだわりが感じられる便箋や鉛筆は、ほとんどが地元・東京の文具メーカーで生み出されたものだ。「雑貨の市場では海外の文具の人気が高いようですが、日本にもまだまだ知られていない質の高い製品があります。その良さをお伝えしたいと思います」と串田店長はいう。
売り場では頻繁に商品を入れ替えるコーナーと、じっくりと長く提案し続けるコーナーを両立させながら、商品の良さをお伝えしている。彼女がデザインを手がけたLIFEのノートも定番人気のアイテムだ。文具の楽しさを知ってもらう場所であるとともに、仕事のショールームのような一面も持っている。


◆売り場に並ぶオリジナルアイテムも好評!


「文具の市場は、以前は男性のユーザーがメインのターゲットでしたが、当店では女性の方にもその楽しさを感じて頂きたいと思っています」という串田店長。最近の人気商品はイラストレーターのますこえりさんとのコラボによる「マスコハンコ」「マスコテープ」。可愛いすぎず、少しレトロでひねりの利いたますこさんのイラストが魅力のアイテムは男女問わずに好評を博している。日本製にこだわったこれらのオリジナル商品は卸売りにも対応している。
お店は通常は週3日の営業、東上野の古いビルの3階にあり、目立つ佇まいではないが最近は遠方からの来店客も増えているという。地域では「モノマチ」や「月イチ蔵前」など、近隣の店舗が連帯して行うイベントも多く、その際に雑貨好きの人が訪れてこだわりの文具の楽しさに触れるケースも多いようだ。 
地域とつながりながら、ものづくりと販売を行い、文具を通していろんな発見と出会いを届けてくれる…「GOAT」はそんなお店だ。


▲売り場では、オーナーがセレクトした個性的な文具と出会える。
とくに「メイド・イン・トーキョー」にこだわった品揃え


▲東京の老舗文具メーカーの製品をはじめ、ノート類も多彩に揃っている。


▲イラストレーターのますこえりさんとのコラボによるアイテムが好評


▲可愛すぎず、少しレトロでひねりのきいたイラストが男女問わずに好評。「マスコテープ」


▲ポストカードも人気。独特の色使いが魅力


▲個性的で求めやすい価格の定番人気のアイテムなど、
文具の楽しさが感じられる品揃え

GOAT / ゴート
(オーナー:SALCO DESIGN 串田美恵子さん)

〒110-0015 東京都台東区東上野1-11-5-301
TEL. 03-5817-4891
goat-shop.com