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◇こだわりのショップをセレクト!◇
大人の街に生まれた、器と野菜のセレクトショップ
E-to(イート) オーナー 江藤智津子さん

▲江藤智津子さん(左)とご主人の江藤秀利さん




お店を訪れた人が、自分のライフスタイルを見つけられる
…そんなお店を訪ね、お店作り・売り場作りについて伺った。


◆器と野菜の出会いで生まれる楽しさを伝える


落ち着いた佇まいで、大人が楽しめる街といわれる東京・神楽坂。ここの大通りから少し奥まったところにある「E-to(イート)」は、“器と野菜のセレクトショップ”だ。
職人の手仕事で生み出された器、作家による器をはじめ、日々の暮らしの中に溶け込むような、こだわりのアイテムを扱っている。「器は、野菜を盛りつけてこそ良さが引き立つ」という思いから、“器と野菜”というちょっと珍しい組合せの売り場となっている。全国の生産者から仕入れた無農薬で製法にこだわった野菜や、素材が持つ本来の旨味が感じられる野菜、そして珍しい西洋野菜なども扱っている。


代表の江藤智津子さんは、雑貨関連の企業で長年、器の開発に携わった経歴を持つ。そのなかで野菜の生産者の方々と会う機会が多くあり、おいしくて安全な野菜へのこだわりに触れ、その大切さを知ったという。
2014年10月にこの「E-to(イート)」をはじめるに当たり、そうした野菜をシンプルで味のある器と合わせて提案することを目指した。「食品の安全さだけを謳うのではなく、実際に料理を器に盛りつけた時に生まれる、楽しさやおいしさをお伝えしたいと思います」と江藤さんは語る。
同店では取り扱う野菜を用いて、無農薬・無添加で冷食を一切使わないお弁当を日替わりの素材、求めやすい価格で提供し、近隣の企業や住人たちから大好評を得ている。江藤さんの手作りのため1日に30食~50食の販売だが、昼時の販売時にはいつも店内が混雑する程の人気で、リピーターも多い。デザイナーである、江藤さんのご主人が毎日のお弁当の献立を写真に撮影し、店頭やウェブで公開。毎日欠かさずチェックするファンもいるという。


◆街に溶け込む売り場づくりを目指す


お店の内装は、白を基調にした明るく落ち着いた雰囲気だ。什器やテーブルなどもナチュラルな佇まいで、店内に入るとまるで「お家」にいるような和やかさが感じられる。来店する層は20代後半から年配の方まで幅広い。
食へのこだわりだけでなく「器の良さをよく見て欲しい」という思いから、作家の個展も店内で行っている。「そばちょこフェア」といった商品別のくくりや、作家ブランドの器と食材のコラボによる「休日の朝ご飯」といった展示まで、多彩なテーマで食と器をからめた企画を立てている。 


「神楽坂のお散歩がてら、ぜひお店に遊びにきてください」という江藤さん。もともと夫妻でこの界隈に長く暮らし、神楽坂の持つ大人の街の魅力、文化の香りを体感していたという。この街の日常に、気取らずに溶け込めるような売り場を作りたかったそうだ。
器と野菜、そして街の人達の出会いが生まれる「E-to(イート)」。全国の農家や器の作り手との輪を広げながら、いま着実にそのファンを増やしている。


▲落ち着いた雰囲気の店内


▲職人や作家よる器や道具


▲安心・安全な野菜を店内で販売


▲シンプルながらも味わいのある器


▲野菜を用いた日替りのお弁当が好評!

E-to(イート)

〒162-0805 東京都新宿区矢来町138 ムカサ第一ビル101
TEL. 03-6457-5009
http://jam-studio.jp/e-to