HOME > 2015年11月号 こだわりの売り場をReport!

生活を楽しくする手仕事の数々と出会える売り場!
松屋銀座「銀座・手仕事直売所」



お店を訪れた人が、自分のライフスタイルを見つけられる
…そんなお店を訪ね、お店作り・売り場作りについて伺った





クラフトマン、職人、デザイナー、小規模工場など、日本全国各地の手仕事の技が生きる品を、「直売所」のスタイルにより、作り手がお客さんに直接説明して販売する「銀座・手仕事直売所」。毎回多くの来場者を集めるこの催事が、東京の松屋銀座8階イベントスクエアにて9月9日(水)~14日(月)に開催された。
一つ一つ丁寧に作られた、暮らしを楽しくしてくれるような手仕事の数々は、作り手の話を実際に聞きつつ手にとって確かめることで、より一層の愛着と親しみがわくもの。今年で7年目を迎え、リピーターに加えて毎回新たなファンを生み出しているこの催事。今回も多くの来場者で賑わい、前回を上回る盛況ぶりを見せた。

北海道から沖縄まで全国から集まった80以上にのぼる作り手の製品が、同店8階のイベントスペースに集結。木工、竹細工、陶磁器、漆器、鋳物、革製品、布製品、和紙など幅広い分野にわたる品々は、どれも使う人の身になって作られたものばかりだ。売り場をゆったりと回れるように広めの通路を作り、並ばずに会計ができるようにレジの配置にも工夫が施されるなど、来場者の身になった会場づくりがなされ、活況を呈していた。

●売り場で手仕事の技を伝え、育んでいく

来場者の層は、30代~40代の主婦層をメインに、若い方から年配の方まで幅広い。催事の企画・実行を行う㈱松屋 銀座本店バイヤーの松田日奈子さんは、「来店される方の“ものづくり”への熱い思いが強まっているのを感じます。ベビーカーを押したファミリーの方など、若い世代の方でも“手仕事の技”に関心を持たれるお客様が多いようです」という。
松屋銀座では長年にわたり、手仕事やクラフトの技が生きる製品の提案に力を入れ、展示会や催事などを行っている。「『銀座・手仕事直売所』では、各地のこだわりの品々を長くじっくり訴求しつつ、大事にしていきたいと考えています。催事に参加される方々の手仕事の技は、いわば松屋の“財産”であると思います」と松田さんは語る。

●衣・食・住にわたって楽しみの幅が広がる催事

今回は従来の展示と合わせて、雑貨や食材を扱う「くるみの木」(奈良)などが新たに参加した。食材と会場の出展社の器などを用いて、料理の提供(イートイン)も行われ好評を博していた。また、職人や作家による実演・ワークショップも開催され、賑わいをみせた。
東京・銀座の百貨店の売り場で、全国各地のものの作り手と生活者が交流しながら、手仕事の良さを伝えていくこの催事。「衣・食・住にわたって楽しみの幅が広がるような催事を目指しました」と松田さんはいう。ファンの熱い気持ちに支えられながら、回を重ねるごとに着実にその輪を広げている。


▲益子の風土を感じさせつつ、現代のライフスタイルに合ったデザインの陶器(鈴木稔(陶器、栃木))


▲ヘラ絞りでつくる生活雑貨のブランド。一つ一つ表情の異なる点が魅力(Onami(ヘラ絞り、神奈川))


▲三重県松阪市の伝統工芸「松阪木綿」を用いた、あずま袋や生活雑貨(丸川商店(松阪木綿、三重))


▲京都府南丹市の工房で、伝統的な手法で生み出される器(前野直史(陶器、京都))


▲カフェや雑貨店、食品を手がける奈良の「くるみの木」が初出展した(くるみの木(暮らしの道具と食、奈良))


▲細やかな手作業から生まれる暮らしの品々。大分の竹細工の製作実演に見入る人も多かった(福籠~fukurou~一木律子(竹細工))


▲全国でも希少な「登り窯」でつくられる沖縄・読谷村の焼き物(やちむん)(読谷山焼 北窯(陶器、沖縄))


▲沖縄の伝統の玩具「琉球張子」。南国特有の色使いが印象的!(豊永盛人(琉球張子、沖縄))

銀座・手仕事直売所

松屋銀座 8階 イベントスクエア
9月9日(水)~9月14日(月)
http://www.matsuya.com/teshigoto

松屋銀座
〒104-8130 東京都中央区銀座3-6-1
03-3567-1211(大代表)